初期伊万里破片?(9) 3点 江戸時代初期?
価格 7000円(税込)
3個とも見込み部に積み重ね焼の痕が見られますので、くらわんか茶碗なのでしょうか。口径は推定で11.0~11.5㎝ 高台径は左から4.4 4.0 4.5㎝で、胴最下部に1本.高台部に2本の染付線が廻っており、文様は口縁部から胴最下部の染付線の間に薄呉須で描かれています。左端は草花文が並んで.中央は器面全体的に草花文.右端は器面片側に大きく葡萄文が描かれ、内側はみな無文で畳付き部には小砂が付着し砂目高台になっています。くらわんかと言えば長崎県波佐見焼ですが、波佐見では慶長7年(1602)に良質の磁器の原料が発見されたのを機に次第に磁器生産に移行して行ったそうですが、陶石に鉄分とチタンが含まれているため焼くと鼠色がかり、且つ1300度を越すと製品にならないので、薄手で白い焼物は出来なかったようです。波佐見に残る5基の古窯跡の中で中尾上登窯では1640~1920年代まで全長160mを越える世界最大規模の登窯でくらわんか碗やコンプラ瓶等を大量生産していたそうです。3点は白く.薄く.砂目高台ですので初期伊万里の雰囲気を持っていますが如何なものでしょうか。因みにNHKプロモーションが2004年に発行した「初期伊万里展」図録152頁に見込み部に重ね焼きのような痕のある小皿(1610~30)が掲載されています。5枚目の写真は左端のみ口縁部があります。菊花.壽字.網手の破片ですが、網手の見込み部には11弁の菊花文があります。陶片は一級の資料ですので収集をお勧めします。特に高台のあるもの.口縁の残っているもの.文様のある陶片.徳利などの内面は、その部分部分が比較し易く釉薬のなじみ具合.厚さ.箆使いなどは完品を撫ぜるよりも教えられるところが多く参考になります。