絵唐津片口茶碗(1) 江戸時代中期~後期 時代箱入り
価格 7万円(税込)
口径8.4~9.6㎝ 胴部径10.2㎝ 高台径6.9㎝ 高さ6.8~7.2㎝ 重さ255g 容量260cc。口縁部に10ヶ所と注口部の先端に小さな金直しがあります。胴最大径は下部にあり、口縁部に向かって内向きに作られ.口縁部直下でやや反り返っています。口縁部上の所々に鉄釉が塗られ皮鯨の雰囲気を醸し出しています。胎土は砂目の多い鉄分の少なめな胎土のようで、鉄分の噴き出しは多くありません。珍しいことに器の内外両側に1ヶずつ鉄釉で草文のような絵が描かれ、長石釉が掛けられ枇杷色に発色し細かい貫入が見られますが、内外の一部に白い長石釉の溜りが単独で.或いは流れて固まって見られ景を添えています。最も嬉しいことには枇杷色が外側より内側がより濃く発色していることです。削り出し高台は低く.高台内部の削りも浅く.兜巾も手で触れないと確認出来ない程です。露胎部に所謂「縮緬皺」が見られますが、砂混じりの胎土に出易いようですが土が軟らかい内に高台を削らないと出ないようです。外側に輪積の大きな筋が残り見所満載の器です。注口部の下の方に親指で押し込んだ痕が見られますが織部の影響を受けているのでしょうか。やや長方形の時代箱は本品を収納するために作られたものと考えられますが、蓋表に「絵唐津片口形茶碗」の墨書があり、箱裏の桟はだいぶ擦れており.底板の一部は虫に喰われ雰囲気のある収納箱です。容量を記したのは酒器としても楽しめると思ったからです。茶16-63