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吉野塗三足漆絵盆(4) 江戸時中期

価格 15000円(税込)

吉野塗は奈良の吉野地方で作られた漆器で黒地に赤の芙蓉模様が描かれているのが一般的ですが、本品は径35,6~36,0㎝ 高さ7,8~8,1㎝ 重さ415g。表面は赤漆地の上に黒漆を主とし金銀を加えて2本の花を描き、花のひとつは黒漆で,もう一つは銀と金で表現しています。葉も黒漆で塗られ僅かに葉筋に金を使っています。花は銀杏の葉の様な形をしていますが何の花か解りません。強いて申せば奈良時代に中国を経て伝来したという「鶏頭」の様な気がします。花の形状が鶏の鶏冠(とさか)に似ていることからこの名がついたと言われています。金と銀は取れ掛かっていますが黒は厚く塗られ盛り上がっています。縁にも黒漆が塗られていますが一部は擦れて下地に赤漆が塗られている様に見えます。裏側は三足の間に径20㎝程の底部が彫り込んでありますが5枚とも1ヶ所赤漆の点が附けられています。村内の「ハレ」の日の行事に貸し出していた証しに思えます。黒漆塗で丁寧に塗られており顔が映り鏡の様です。三足の裏側は擦れて木肌が見えます。経年変化による擦れや小キズもありますが時代の割には保存状態は良好です。

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