中国堆朱口紅入れ 明朝時代
価格 10万円(税込)
3.1ⅹ3.1㎝ 高さ1.7㎝の極小品です。全体に蔓葉,花文様の様なものが施されており、所々に赤い実の様なものが点在していますので或いは葡萄文かも知れません。中国でも葡萄は沢山の実がなる事から子孫繁栄の吉祥文様として好まれ、工芸に盛り込まれた葡萄文で特に著名な物には海獣葡萄鏡があります。明清の時代には未亡人は口紅をしない習慣があったそうですが、宮中では皇后以下の女性は素顔でいることは規則で許されなかったので常に身嗜みに気をつけ、正装の際には満州族の習慣にしたがって下唇の真ん中にのみ口紅をつけたそうです。本品も宮中の女性達や身分のある女性達に使用されたもののひとつなのでしょう。蓋を開けると隅のところに赤色が僅かに残っています。掌に乗ってしまう程の小さな箱の全面に細かい文様が刻まれた極上品です。経年変化のため少しイタミもありますが時代物の割には保存状態は良好です。木7-9