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絵唐津立酒盃(3)   江戸時代中期~後期   

価格 3万円(税込)

口径7.3~7.4㎝  高台径4.3㎝  高さ5,8~6.0㎝  重さ125g 容量80cc。口縁部は真円ではなく寧ろ方形に近く大きく外反し、胴上部で僅かに括れ高台部へ移行しています。高台部周りを除き土灰釉が掛けられ、外側と内側に鉄釉で草文が描かれており、無釉部分は薄赤茶色に焼き上がり、高台内は僅かに碁笥底で縮緬皺と兜巾の名残のような痕があります。内側及び胴部には胎土中の石が飛び出しそうな箇所があります。胴最下部の作りがユニークで、一部を意図的に箆で鋭く太く斜めに切込んでいますが、途中で高台部に合体しており二重高台のように見える部分があります。素地に土灰釉を掛けていますが白灰色(青白く)に発色し景を成しています。江戸時代初期頃までの古唐津はざっくりした砂目が魅力でしたが、中期頃からは藩主の献上品としてきめ細かい磁器に近い京焼風のものが焼かれるようになり、これが中期唐津のおこりで胎土はきめ細かくなって行きますが本品はこの頃のお品と思います。収納箱の蓋表に「唐津猪口八ッ 内四ッ皮鯨 四ッ大形」の墨書.蓋裏には「安政三年丙辰冬相求 十一代瀧川伝右衛門○典しる須 瀧川蔵」の墨書がありますので、安政3年(1856)に求めた時点では二種の猪口が4個ずつしかなかったと思われ、猪口の製作年代は箱書きの年代より遡り中期頃の作と考えています。余談ですが、江戸時代後期に松江藩の御用商人で且つ藩札の発行元でもあり、藩との結び付きが強く江戸時代後期の藩主を度々招き宴席を重ねていたという豪商瀧川伝右衛門と本品の箱に記されている十一代瀧川伝右衛門○典は同一人物のような気がしますが、断定する資料を持ち合わせておりません。箱なし。

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